葛飾区や墨田区といった城東エリアならではのお酒「下町ハイボール(元祖ハイボール)」。このエリアでは通称「ボール」と呼ばれています。「ハイボール」といえばウイスキー&炭酸ですが、当時の庶民には高嶺の花。そこで代用品として考案されたのが「焼酎ハイボール」なのです。炭酸だけでは飲み飽きするので、梅シロップを加えるなど工夫され、この「下町ハイボール」が誕生しました。

現在、「天羽の梅」という梅味の液体を使用するのが主流。この液体をメインに各店独自にブレンドされたボールは、通常氷なしで飲むのが倣い。数杯飲めば酔っぱらってしまう、考案した方の意図通りの危険な酒なのですが、ここ数年盛り上がり、某有名企業も缶を発売。最近、近隣のスーパーに行くと、今流行りの買い占めされていることがあり、驚いています…。

堀切菖蒲園は、ボールホッピングできるエリアで、その1つが戦後創業の「小島屋」さん。現在3代目の女将が仕切ります。店内はコの字型のカウンター2つが繋がった面白い内観。昔高架下にあった時の「きよし」さんや、今はなき「きらく」さん(ともに堀切菖蒲園)も独創的かつ見ごたえのある内装でした。ボールを楽しむものにとって、ある種の美術館なのかもしれません。

こちらのボール300円は、アルミの水差し(キンミヤ焼酎などとブレンドした液体入り)と、欠かせない「興水舎アズマ」の強烈ガス圧の炭酸を一気にグラスに注いで、薄くカットしたレモンを浮かべます。どの店も作り方が異なり、飲み比べをしたくてはしごしてしまいます。

カニカマとキュウリ、納豆を酢であえた名物の酢納豆250円といただきました。

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葛飾区堀切5-3-11
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